こんにちは。カラベアです。
いきなりですが皆さん、歯みがきの仕方って普段から意識していますか?
「歯磨きは毎日している」「子どもの頃にちゃんと教わった」という方は多いと思います。しかし、そんなあなたの歯みがきのやり方も、もしかすると間違いかもしれません。
実は、効率的な歯みがきのポイントを知らずに、上手く磨けていないケースがけっこうありがちなんですよね・・・。
毎日の歯みがき習慣、つい何となくのやり方になっていませんか?
今回は、間違ったやり方で習慣化しがちな歯みがきの間違いあるあるを紹介して、正しい歯みがきのポイントも解説していきます!
それでは、歯科技工士の知ってる歯と健康のお話「よく習慣化されがちな歯みがきの間違いあるある7パターン!」の始まりです。
歯みがきの重要性のついては、こちらの記事も読んでみてくださいね!
歯みがきの間違いあるある7パターン
毎日欠かさずに歯みがきをしていたとしても、ちゃんと磨けているとは限りません。そのやり方によってはかえって、口の中の状態を悪くすることだってあります。
そんなもったいない歯みがきの間違いあるある7パターンがこちら!
1.力を入れてゴシゴシ磨く
2.手を大きく動かして3本以上を一気に磨く
3.磨く順番はいつも同じ
4.歯の前面しか磨かない
5.歯周ポケットの中を重点的に磨く
6.歯みがき粉をたっぷりつける、逆に全くつけない
7.半年以上、歯ブラシを変えていない
どうでしょうか?
普段の歯みがきを思い出してみて、思い当たる部分はありませんか?
「ヤバい当てはまる・・・」と思った方はもちろん、「これなら大丈夫だ!」と思った方もいるはずです。
これから歯みがきの間違いあるあるを詳しく解説していきます。このやり方の逆を考えれば、歯みがきの効率を高める重要なポイントということでもあるので、子どもの頃に戻った気持ちで一緒に学びなおしていきましょう!
まあまあ長くなってしまいましたので、サクッとポイントだけ読みたい人は、目次から「効率的な歯みがきのポイント」に飛んじゃってください!
1.力を入れてゴシゴシ磨く
毎日力を入れて磨いていると、歯の表面(エナメル質)や歯茎(歯肉)が傷ついてしまいます。
少し専門的な話になりますが、歯の内部は3層構造。内側から歯髄(しずい)、象牙質(ぞうげしつ)、エナメル質で構成され、一番外側のエナメル質が歯の内部の神経を守ってくれています。
このエナメル質は、じつは人体の中で最も堅い物質だったりします。それでも毎日の食事や歯みがきなどで少しずつ削れてしまうので、唾液に含まれるカルシウムによって少しずつ自己修復する機能(歯の石灰化)が備わっています。
しかし強い力でゴシゴシと磨いていると歯質へのダメージが大きすぎて、神経に近い象牙質が露出してしまうのです。
歯みがきの時に、歯がしみるという方は象牙質の露出や歯肉へのダメージが蓄積されて知覚過敏になってしまっているかも・・・。
2.手を大きく動かして3本以上を一気に磨く
これは特にありがちな磨き方。歯にブラシを垂直に当てて前後左右に動かして磨く方法を「水平法」といいます。しかし、この水平法で大きく手を動かすやり方では磨き残しが生じやすいんです。
一気に3、4本ずつ磨こうとすると、全部の歯を綺麗に磨いているつもりでも、歯と歯の間(隣接部)や歯肉との境目まで毛先が届いていない・・・。
ちょっと想像してみてください。
テーブルの上にビー玉が固定してあります。
このビー玉を水平法を使って歯ブラシで優しく磨いてあげましょう。
ビー玉の面に垂直に歯ブラシを当てて、水平に動かすだけで全体に毛先を当て磨いていきます。
上から順調に磨いき、下までくるとあることに気が付きます。
ビー玉の設置部分にブラシを垂直に当てようにも地面が邪魔。
どうすればいいんだ、これじゃあ毛先は届かない・・・。
お願いだ、歯ブラシを斜めに当てさせてくれー!ってな感じです。
歯と歯肉の関係もおんなじ様なものです。しかも歯にとっての設置部分は歯肉だけでなく、隣りに生えた歯との間にも存在します。つまり色んな角度から当てて毛先を届かせるのが重要!
いつも歯みがきは1分くらいで終わる・・・なんてせっかちな方は要注意ですからね!
3.磨く順番はいつも同じ
磨き方がいつも同じという方は、いつも同じ部分が磨けていない可能性が・・・。
例えば、水平磨きでいつも同じ順番で歯を磨く人を考えてみましょう.。
いつも下の右奥歯から前歯に磨いていき、さらに左奥歯に進めて・・・下が終わったらまた、上の右奥歯から左奥歯に向かって磨き進めて・・・といった感じ。
こんな感じでいつも同じ順番、方向で進めていると、ブラシの毛先がよく当たっている部分と、ほとんど当たっていない部分も、いつも同じになってしまっているのです。
さらに始めは丁寧に磨いていても、最後の方は適当になりがちなのも、よくある残念パターン。
4.歯の前面しか磨かない
歯の前面だけでも磨けば、舌で触れたときツルツルして、よく磨けた気分になりますが、そこで満足してはいけません。
ほんとに歯みがきが重要になるのは、歯ブラシが届きにくい部分!
前歯の裏側、歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯の溝、歯が重なり合って歯並びが悪くなっている部分。よーく磨いて欲しいところは、まだまだ盛り沢山ですよー!
やっと記事の半分くらい!もう読み疲れたという方、無理せず最後に飛んじゃってください(笑)
5.歯周ポケットの中を重点的に磨く
よくCMなどで「歯周ポケットの中まで汚れをかきだす」みたいな表現がされるので、歯周ポケットをゴシゴシ磨かないといけないと思っている人がいます。
あんな風に宣伝されると勘違いされても仕方ないのですが、実は歯みがきなどのセルフケアで歯周ポケットの中の汚れを完璧に清掃するということは無理なんです。
少し専門的な話になります。
歯の生え際部分、歯と歯肉に囲まれた部分で作られる溝を「歯肉溝(しにくこう)」といいます。
健康な歯肉の場合、この溝の深さは2㎜程度。しかし歯周病になると、歯肉がはれてい、この溝が深くなってしまいます。この深くなった溝が3㎜以上になると「歯周ポケット」と呼ばれ、歯周病が悪化している目安なんです。
歯周ポケットは歯肉のはれ(炎症)が原因なので、この部分をゴシゴシ重点的に磨けば、さらに歯肉のはれが悪化してしまいます。
歯周ポケットの清掃には、歯周病の改善が不可欠なので、優しく丁寧な歯みがきに加え、歯科での専門的な治療(クリーニング、炎症の抑制)が必要なのです。
6.歯みがき粉をたっぷりつける、逆に全くつけない
歯みがき粉をたっぷりつけると泡立ちが良く爽快感があるので、よく磨けた気分になりがち。最初の方で紹介した記事にも解説してありますが、歯みがきの目的は汚れ(プラーク、細菌)を落とすことです。
口の中の爽快感だけを目的にしては、ミント味のガムやタブレットを噛むのとあまり大差なく、じつにもったいない磨き方をしています。
逆に、歯みがき粉を全くつけないのも、もったいない磨き方です。
一時期、学術的に歯みがき粉のむし歯予防効果に疑問がもたれていたことがありました。もしかするとその時期の学説から、歯みがき粉を使う意味がないと思っている人がいるかもしれません。
今では、歯みがき粉に含まれるフッ素が、歯質の強化(歯の再石灰化)を促すとして、むし歯予防の効果がしっかり認められています。
肝心の歯みがき粉の適量ですが、歯ブラシのヘッド部分(毛の部分)の半分~3分の1のせるくらいが目安です!
7.半年以上、歯ブラシを変えていない
歯ブラシを使い続けていると、だんだんコシがなくなり毛先が広がって、歯への当たりが悪くなってきます。
有名な歯ブラシメーカーのLIONの調査によると、毛先が広がった歯ブラシでの汚れの除去率は4割も減少するというデータが出ています。
ということは毛先の広がった歯ブラシを使っていては、全く同じ時間、磨き方をしていても6割しか汚れを落とせないということになります。これは、もったいないですよね・・・。
歯ブラシの交換時期は、月1程度とされているので、安価な歯ブラシを定期的に交換するのがオススメです!
以上、7パターンの歯みがきの間違いあるあるの解説でした。どうだったでしょう?
ひとつずつ見ていくと、自分の歯みがきは大丈夫と思っていた人も改善できる部分があったのではないでしょうか?
あともう少し、最後にこれまでの内容をまとめて、簡単な効率的な歯みがきのポイントも解説をのせておきます!
効率的な歯みがきのポイント
歯みがきの基本は、歯ブラシを歯と歯の間にピタッと当てて、歯の間まで毛先を入れるようなイメージで1、2本ずつ小刻みに磨いていくこと!
歯ブラシの持ち方の基本は、ペンを持つような持ち方(ペングリップ)です。力加減はお箸を扱うぐらいの感じ。磨く部分によっては扱いやすい持ち方に変えましょう!
前歯の裏側はとくに磨き残しが多い部分なので、歯ブラシを立ててブラシの先端を上手く活用です。磨きにくいデコボコした部分や奥歯の溝も忘れずに。
今回の記事のまとめ
1.適度な力で、1、2本ずつ手を細かく動かして磨く
2.磨き残しがないように、磨く順番、方向、当てる角度を意識する
3.前歯の裏側、歯と歯茎の間、奥歯の溝、歯が触れる重なる部分まで磨く
4.歯周ポケットの中は無理に磨かない
5.歯みがき粉の適量は歯ブラシのヘッド部分の長さ半分くらい
6.歯ブラシは毛先が広がる前に月1程度で交換
正しい歯みがきの習慣を身につけたいという方は、このポイントを意識してくださいね !
ということで、今回はよく習慣化されがちな歯みがきの間違いあるあるの紹介でした。今回のお話を参考に正しい歯みがきライフを送ってください!また皆さんの役に立つ記事を更新していきますね。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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歯科技工士の知ってる歯と健康、乳歯のお話はこちらも参考に!
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