歯みがきしないとどうなるの⁉歯につく汚れプラーク(歯垢)の正体とは!

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こんにちは。カラベアです。

しばらくブログの更新が滞ってしまいましたが、気を取り直してまた記事を書いていきます。

こちらも久しぶりとなりましたが、今回は歯科技工士の知っている歯のお話をしたいと思います。

皆さんは毎日、歯を磨いていると思いますが、そもそもどうして歯みがきをしないといけないのか?その詳しい理由までご存知ですか。

「不潔だから」

「口が臭くなるから」

「むし歯ができるから」

「歯周病になるから」

もちろんどれも正解です。

しかし、もっと根本的なことを言うと、ずばり「細菌が増えてしまうから」なのです。そして、歯につく汚れ「プラーク(歯垢)」の正体もまた「細菌」なのです!

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目次
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口の中のはどれくらいの細菌いるの?

私たちの身体には様々な菌(微生物)が住み着いています。皮膚、内臓、鼻の穴。もちろん口の中にもです。

口の中には、まだ名前も知られていない菌も含めて、約700種類もいると言われています。そんなにたくさんの菌と共存しているなんて驚きですね。

ここで問題です!

歯みがきをする理由は、細菌が増えないようにするためということが分かりました。それでは全く歯みがきをしない人の口の中には、どれくらいの細菌が存在するのでしょうか?

答えを発表する前に、まず毎日しっかり歯みがきをしている人の場合から。口腔内の環境が清潔に保たれている人の場合、口の中には1000~2000億の細菌が存在しています。

口の中には700種類の細菌がいるとお伝えしましたが、実はちゃんと綺麗にしている人でも、とても多くの細菌が住んでいるのです。

次に、あまり歯みがきをしない人の場合です。しっかりみがけていなかったり、みがき忘れる日があるような人。この場合4000億~6000億の細菌がいると言われます。

少しサボったり、間違ったみがき方が習慣になっているとあっという間に細菌は増えてしまうんですねー。

そして最後に、全く歯みがきをしないという人の場合です。こういう人の場合、口の中の細菌数はなんと1兆を超えると言われています。

恐ろしいことに綺麗に歯みがきできている人と比べると、まさかの10倍以上に細菌が増殖してしまうのです。

全く磨かない➡1兆以上
あんまり磨かない➡4000億~6000億
しっかり磨けている➡1000億~2000億

逆に言えば、しっかりとした歯みがきによって細菌は10分の1に抑えられるのです。歯みがきが口腔内の衛生状況にこんなにも影響しているということを覚えておいてくださいね。

口の中で細菌が増えて作られるプラーク(歯垢)の仕組み

細菌は口の中に残った食べかすを栄養源として、自分の体を分裂させることで増殖していきます。これによって、増えた細菌たちが集まってかたまりになった状態が「プラーク(歯垢)」です。

プラークのイメージとしては、2019年ラグビーワールドカップで日本の活躍が話題になっていますが、増殖した細菌たちがラグビーのようにガッチリとスクラムを組んでいる様な感じ。

そしてプラークが作られると細菌たちの表面にヌルヌルとした膜が形成されます。バイオフィルムなど呼び方は違いますが、シンクやお風呂の排水口などにつくヌルヌルとその構造は全く同じです。

口の中で細菌が増えプラークが形成されるということですが、ではプラークが形成されるまでにどのくらいの時間が必要?なのでしょうか。

その答えは、約8時間です。ということは夕食後に歯みがきをせずに寝てしまうと、朝起きたときには細菌が増殖し、ヌルヌルとしたプラークが形成されてしまっているのです。

睡眠時は唾液の分泌が低下し細菌が洗い流せなかったり、乾燥しやすいなど特に細菌が増えやすい条件が揃っています。そのため特に夕食後の歯みがきは重要とされているのです。

細菌の増殖装置⁉プラークは「歯石」に変化する

つい歯みがきをサボりがちで、もう口の中がプラークだらけになっていると急に心配になって来た方はいませんか?

まずは安心してください。まだプラークの段階であれば、丁寧に歯みがきをすれば取り除けます。シンクや排水口のヌルヌルも、スポンジやタワシでこすり落とせば取り除けるのと同じです。

しかし、口の中にできたプラークを48時間以上放置しているという方は、危険信号が出ています。口の中に残ったプラークは唾液中に含まれるカルシウムと反応して「歯石」という白っぽい固まりになって歯にこびりついてしまいます。

歯石自体は口の中で悪さをするわけではなく、細菌から口腔内を守るために固めてしまえ!という体の防衛反応なのですが、皮肉なことに歯石の周りには細菌が付きやすくプラークも形成されやすい欠点が。

これにより、歯みがきしない人の口の中で細菌が増えるというサイクルが加速し、「歯石」がまるで細菌の増殖装置のようになってしまうのです・・・。

これが綺麗に歯みがきをする人と、全くしない人の口の中で細菌数がこんなにも違う原因なんですね。

細菌と口腔内の健康の関わり

増えすぎた細菌たちは口の中でどうなるか?口腔内にいる700種類いるのですが、その中には「むし歯菌」や「歯周病菌」など健康に悪影響を及ぼす細菌も存在しています。

細菌たちも数が少ないうちは体に影響を与えることはありません。しかし口の中が清潔に保たれていないとそんな悪い細菌たちが増えまくり大暴れし、やがては「むし歯」「歯周病」の発症につながるのです。

歯みがきしなかったために行きつく先として「口腔崩壊」と呼ばれる状況があります。こちらも以前記事にしていますので、気になる方は読んでみてください。

私は歯みがきを毎日しているから大丈夫!という方も気がつかないうちに歯石ができてしまっているかもしれません。

下の前歯の裏側や、上の奥歯の頬側(ほっぺの裏側)あたりは歯石できやすい場所です。このあたりは歯みがきが行き届きにくく、普段見えていない場所なので、白っぽい「歯石」を見落としてしまっているかも。

もし歯石を見つけたら、歯医者さんで取り除いてもらいましょう!歯石は堅く歯にこびりついているので自分でとるのは難しく、綺麗に取り切るのはまず無理です。粘膜を傷つけてしまう恐れもありますので、プロにお任せしてください。

特に歯科衛生士さんはこの歯石取りのプロなんです。PMTC(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)と呼ばれる専門的な技術を学んでいます。具体的に言うとジェット水流の出る機械やスケーラーと呼ばれる器具なんかで歯を清掃してくれることですね。

そして歯医者さんで口の中を綺麗にしてもらったら、プラークや歯石ができないように毎日丁寧な歯みがきを心がけたいですね!

ということで、今回は歯につく汚れプラークの正体についてお話しました。また近いうちに正しい歯みがきについても記事を書きますので、そちらも参考にしてください。

このブログでは、歯科技工士の知ってる歯と健康、乳歯のお話カテゴリーの中で、他にも歯と健康にまつわる情報をお届けしているので、そちらもチェックですよ!

また皆さんが楽しめる記事、役立つ記事を更新していきますね。それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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